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女装と日本人
“女装”を抜きに日本文化は語れない!
三橋 順子 著

出版社
 
講談社
現代新書1960
頁数 373頁
発行 2008年9月19日
価格 945円(税込)
ISBN13 978-4062879606

【内容】
ヤマトタケルの神話、中世の女装稚児、歌舞伎の女形、江戸の陰間、現代のニューハーフ……。
なぜ私たちは性別を越えたものに心ときめくのでしょうか? 
“女装”を軸に日本文化史を読み直します。

女装の建国英雄ヤマトタケルから、ネオンきらめく新宿女装コミュニティまで、魅惑?の時空旅行をお楽しみください。

【目次】

は じ め に

序 章 日本人は女装好き?

第一章 古代〜中世社会の女装
1 女装の建国英雄ヤマトタケル −日本神話の女装観 −
2 双性の巫人 −弥生時代の女装のシャーマン −
3 「ぢしゃ(持者)」 −中世社会の女装巫人−
4 女装の稚児 −中世寺院社会における女装の少年−
5 中世の芸能と異性装 −稚児と白拍子−

第二章 近世社会と女装
1 歌舞伎の成立 −異性装者へのあこがれ−
2 歌舞伎女形の意識と生活 −平生を、女にて暮らす−
3 陰間と陰間茶屋 −江戸時代のニューハーフ−
4 とりかえ児育と市中の女装者

第三章 近代社会と女装
1 文明開化と異性装の抑圧
2 女装と犯罪イメージの結合
3 異性装の「変態性慾」化
4 抑圧の中を生きぬく

第四章 戦後社会と女装
1 女装男娼の世界
2 ゲイバー世界の成立
3 女装芸者の活躍
4 性転換女性とブルーボーイ
5 ゲイバー世界の分裂
6 ニューハーフ誕生
7 アマチュア女装者の登場
8 新宿女装コミュニティの形成
9 商業女装クラブの出現

第五章 現代日本の女装世界 −新宿の女装コミュニティ−
1 順子の生い立ち −新宿まで−
2 ネオンが似合う「女」になる
3 新宿女装コミュニティの性別認識
4 女装コミュニティの人々 −女装客と男性客−
5 女装コミュニティのセクシュアリティ

第六章 日本社会の性別認識
1 「女をする」ということ
2 「女扱いされる」ということ
3 「女」扱いから「女」錯覚へ
4 「日本人の女ではない」ということ −性別認識と民族認識−
5 性別認識と場
6 身体を「棚上げ」できない場
7 「女見立て」のセクシュアリティ

最終章 文化としての女装
1 女装文化の普遍性
2 トランスジェンダーと職能
3 なにがトランスジェンダー文化を抑圧したか −宗教規範の問題−
4 性転換する神と仏 −日本の宗教の場合−
5 ふたたび「日本人は女装好き」 −性別越境者の魅力−

お わ り に −なぜ、性同一性障害という立場を取らないか−